NAにNBのサーモスタットを流用
2007.2.20UPDATE
水温管理に欠かせない小さくても賢いヤツ。 【背景】 なんとなくサーキット走行を始めたという事で ”転ばぬ先の杖” とばかりにマルハモータースさんの『78サーモ』を導入した。 しかし、フリーダム制御において、この5度の影響が大きく、水温補正(増量)が常に入っている状況に陥る。さらに水温補正が影響してるのか水温低下が影響しているのか不明だが、アイドリング時のA/Fがやや不安定になった。 ストリート+ちょいサーキットでは純正で十分と思い直し、NB用のサーモスタットがナカナカ良さげだったので今回はNBサーモスタットを流用してみようと思う。 【ロードスター用各サーモスタット比較】 78サーモとNBサーモの比較写真 印象としてはNA8用は燃費、エミッション対策としてキメ細かい温度管理を実現する為にサブ弁を用意したが、その分メイン弁面積を圧迫してしまったような形。 それに比べNB用はメイン弁とサブ弁を同一心に持つ事で全開時の面積を拡大し流量を増やす対策が施されてるようだ。真相は不明だが、3段階で弁が動くとのハナシもある。 マルハ78サーモはサブ弁を持たずにNBと同じ径の弁が低温側から動作するようになっている。
ここに二つのキーがあると考える。 一つは弁の径およびリフト量、もう一つは動作温度。 弁の径やリフト量は冷却水の流量に影響してくると思われ、もちろん径、リフト量が大きいほど流量が確保できるはず。 そこで一つの疑問が生ずる。 「流量が多い=冷却能力UP」なのか? 結論から書くと、そんなハズは無いと考える。放熱量はラジエーターの能力で決まると思うからだ。流量が多くても少なくても放熱量は変わらないと思う。 では流量を稼ぐメリットは? 均熱である。 風呂のお湯をゆっくり攪拌してもナカナカ表面の熱い部分は冷めない。それと同じで流量が少ないとエンジンの冷却水IN側とOUT側でかなりの温度差が生じてしまう可能性がある。燃焼室付近に熱がどんどん篭るイメージ。 つまりクルマの冷却システムとしての能力が上がる訳じゃないが、エンジン内部を均一に冷却するという意味で流量は高い方が良いハズ。 ちなみにNB用はNB4型までつまり160馬力エンジンまでこれで対応できてるというのも一つの安心材料。 次に動作温度。 エンジンに高負荷を与え続けると冷却システムの能力を超え水温がどんどん上昇しやがてオーバーヒートとなる。発熱量>放熱量という事。 これを防ぐには放熱量UP=ラジエーター能力のUPしかないと思われる。間接的にオイルクーラーも有効だと思うが。 という考えからするとローテンプサーモは弁を早めに開いてオーバーヒートまでの時間を遅延する効果はあるものの根本対策にはならないと思う。 特にフリーダムの場合水温を90度前後で維持してくれるという純正設定は大変ありがたいもの。って、これはフリーダーにしか分からんか(笑)
以上の事から、ストリート+ちょいサーキットな502号にはNBサーモが最も適してると考えた。 ”きんぱらストレート”でセッティングをしてる時のフリーダムのログをチェックしてみると
78サーモは当然低温側であるが、NA8とNB用ではこの程度では差がわかんない。サーキットで流量UPの効能は・・・。 ま、信じるものは救われる・・・んでしょう。きっと(笑) 【インストール作業】 冷却水交換のタイミングでするのが効率的だけども、今回は交換してまだ半年だったのでクーラント再利用の方向で(笑) まずは、ドレンコックを緩めて青汁を適量抽出。 次にM8ボルトを2本抜いてサーモスタットケースを割る。 今回は頂きモノのノーブランド水温センサーアダプターも同時インストール。 というわけで・・・
【導入後】 アイドリング時のA/Fがビシっと安定。水温たった5度程度の違いなのにエラク改善した。目論見通り。 燃費にも現れそうなものだけどもこの季節、燃費のバラつきが大きいので差は分からない。 ところで、これが純正ECUだとどうなるのか? でも、少なくとも流量UP間違い無しのNBサーモ(品番:BP6F-15-171A) 1,940円は、やって損は無い流用パーツ(for NA8)だと思う。 |