"猛(たける)くん"試乗会

2004.9.2


デートのお相手

今回はステキな彼とデェトの報告である。

そのお相手は"猛(たける)くん"
そしてオーナーのR-Junkie会長代理 "角"さん。
HP内の彼のコーナー「走る実験室」 は読んだ事があるだろうか?
実に熱い。熱すぎる。あちちあちちなのである。
彼の目的は明確である。「速く走る事」。 
目標が明確だから、熱いのだ。
彼はWEB上のロドスタのHPは数多くあるが「目的が感じられん」
ページが多いのを嘆く。
パーツ自慢や、批評するのは別にいいが結局何が目的なんだと。
はい、すんません、私のサイトも全くその通り目的が無い(恥)

ちなみに、このサイトに出てくる実験車両"白"は現在某ショップの
デモカーに使われており某DVDを hatahata-Studioから購入した人は
目にした事があるだろうマシンだ。という事を聞かされて驚いた。

その"白"を手放し、現在の実験車両は"旧ザク号"。
NA6CEのVspグリーンである。それに搭載すべく作られたエンジン。
それが"猛(たける)くん"だ。
ちなみになぜそんなネーミングなのかは不明である(笑)

では、"猛(たける)くん"に登場いただこう。

見た瞬間「なんじゃこりゃぁぁぁ!?」とハードボイルドに驚く。
ヲトコらしくソソリ立ったファンネル。何かが発射されそうな勢いだ。
そう、4連スロットルである。こんな4連見たことない。
それもそのはず、ナント自作なのだ。
ゴールドに塗装されたファネルとヘッドが見事。
で、この4連をFreedomコンピューターでα-N制御する。
このエンジンの詳細はここをご覧ください。
なんとこのマシンに試乗できることになったのだ!!

待ち合わせの日、通称"きんぱらストレート(ようするに天竜川堤防)
と呼ばれる場所で待ち合わせる。
"きんぱらストレート"のコース写真は当日暗闇で撮影できなかったので後日
掲載する"予定"だという事で勘弁してもらうとして、数キロに渡ってほぼ直線。
ここがテストに向いてるだろうという事だったのだが、少し時間が早かった為か
かなり交通量があったので南下し海岸沿い道路に移動した。

移動中にある事を頼まれた。
しかし、これが後に大問題をひきおこすとはこの時はまだ知るはずも無い
さて、頼まれた内容とは

「後ろを走ってケムリ出ないか見ててくれる?」と。

実はこの"猛(たける)くん"
。とっても水を飲むらしく毎日1L補給してる
らしいのだ(-_-;; つまりどこかから冷却水が漏れている。
その場所を探し出そうとしての依頼である事はすぐに分かった。

「大丈夫ですか?」とたずねると

「大丈夫大丈夫!」とペットボトル水1Lを持ってニヤリ。

そして後ろに付いて走り出すと、恐らくアクセルを全開しただろう
タイミングで白煙が見えた。
しかしまぁ、さほど激しいものではなく、それよりも
 ぱん・ぱんぱん・・・ぼふっ!
というアフターファイヤーが超レーシー。す・て・き だ(笑)

"猛(たける)くん"試乗

いよいよ試乗だ。
アイドリングからして普通ではない、軽くレーシングすると
そのレスポンスの良さに驚く。
ROMチューンとは比較にならない。
これが・・・α-N制御(スロットル制御)なのか!?
まずは、一周。
「ぬぉぉぉぉ!!! 」
ストレートで7500rpmまで引っ張る。
下の方のトルク感はそこはB6エンジン。
自分のBPエンジンROMチューンに比べてそれほどの違いは
無いように思える(レスポンスは全然違うが)
驚異的に違うのは6000rpmを超えたあたり。
レッドゾーンに吸い込まれるように回転が上がっていく。
ぎゃっはっは!!!
アクセル踏みながら、もう笑いしか出てこない。
テキストでの説明は到底無理なのだが
ノーマルが
ぶーーーん、ぶーーーーーん
だとすると、"猛(たける)くん"は
ぐあぁぁーーーん!ぐわぁぁぁぁぁん!!!
なのである(笑)
この辺の音に関してはもちろん4スロによるものだ。
"角"さんはイマイチという音だが、私は嫌いではない。
音質は少し調子の悪いSOLEX(笑)のような感じ。
でも、リニアにパワーが付いて来るトコロが全然違う。
とにかくROMチューンでは決して得られそうも無いという
事が体感的に感じられる。

"角"さんによると、この違いは4連スロットルではなく
α-N制御による所が大きいとのこと。
L-ジェ、D-ジェではどうしてもこの感じは出せないという。
正直、"幸せの青い箱"フリーダムにグラグラ来てしまう・・。

そしてブレーキ・・・
「ぬぉぉぉぉ!!効かねぇぇぇ!!」
なんと、サーボが無いのでブレーキがクソ重たい。
今、面倒だから外したんだけど、慣れると平気との事。
俺には無理っす。ハイ。

そんなこんなでテストコースを2周周回。
3周目に入ろうかというあたりでノッキングが起こり始めた。
カリカリカリ・・・
少しペースを落としてみる。
ガリガリガリガリ!

うぉ。もうどうやっても治まらん。ふと水温計を見ると・・

ふ、振り切ってるし!(汗)

急いで道路わきに停車させる。
「4周は持つと思ったんだけどなぁ」と"角"さん。
ボンネットを開けラジエーターキャップを覗く。
水が・・・無い(-_-;;
手持ちの1Lペットボトル水を注入すると
プシャーーーーーーーーー!(-_-;;;;;;;;

それでも、少しずつ水を注入していくと軽く1Lを飲み込んだ。
困ったことに近くに水場が無いのでエンジンが自然冷却
するのをしばらく待つことにした。
自分が運転してた時に起こった事なのでプチ・ブルー。

その間"角"さんからエンジンについて色々な話を聞くことが
出来た。
タバコを吸いながら語る姿は実に格好よい。
いや、お世辞じゃないよ、"角”さん。漢(おとこ)っす。

そうこうしてるとR-Junkieのきんぱらさんが水持って登場。
さらに最近"幸せの青い箱"フリーダムを導入した1028乗りの
takaさんも登場。
平日の深夜に4人で集会状態だ(笑)

とりあえず、"猛(たける)くん"に水を注入。
結局3L飲み込んだ。明らかに異常だ。
エンジンルームを見るとブロックのエグゾースト側に
冷却水が流れたであろう痕跡がある。
「このブロックも寿命を全うしたという事だな・・・」と"角"さん。

(この原稿を書いてる時点で雨の中カッパ来てエンジンを換装中
 との事・・)

フリーダムは呪いの箱?

次にtakaさんのフリーダムセッティングに移る。
どうもうまくセッティングがいかないらしい。
が、R-Junkieにはフリーダムに関するノウハウがかなり蓄積されている。
導入するには心強い環境だろう。
さてフリーダムコンピューターであるがROM-TUNEとは異なり
様々なパラメータをセットアップしていく。
それだけ自由度が高いという事であり逆にセッティングが難しい
とも言える。 事実、一部では
"呪いの青い箱"とも呼ばれるのはその為である。

という訳で、その時点では"呪いの青い箱"であったtakaさんの
フリーダムだが、きんぱらさんと"角"さんがサクサクとパラメータを
チェックしていく。
しかし、空燃比連動機能がうまく行かないようで四苦八苦。
(後日、実はその機能が入っていなかった事が判明したらしい)
うーむと悩んでるところで私は"角"さんを連れ出し自分の車に
乗ってもらう事にした。

ROM−TUNEについて

自分なりに色々ROMを詰めてはみても正直差が分からない。
もしかして、自分の"体感センサー"は鈍すぎるのではないか?
と少し悲観視していた。
そこで、数々の実験を繰り返した猛者たちに乗ってもらってその差が
分かるのか試させてもらおうというのが魂胆だ。
4連ROMチェンジャーにセットしてあったROMでそのままテスト。
テスターは"角さん"、きんぱらさん。
まずは、テスト後の評価だ。

"角"さん
ROM1:まぁまぁかな、フィーリングは一番好き
ROM2:テストせず
ROM3:あんまり良くないな。
ROM4:一番パワーが出てるかな。
総合評価:1→4→3

きんぱらさん
ROM1:ふむふむ
ROM2:ROM1との違いがわからん
ROM3:うーん、やっぱり違いがわからん
ROM4:あ、これは良くないね!
総合評価:1,2,3同等で4が悪い

見事に評価が割れた。
そのROMの中身は・・・

ROM1:ノーマル
ROM2:ノーマル
ROM3:某ネットで有名なショップROMベース
ROM4:オークションで有名な某氏ROMベース

この結果は、それぞれの好みもあるのだろうが、どちらにしても
微妙な差でしか無いと言えると思う。
自分としてはこの結果に少し安心(笑)
さらに、口を揃えて、私のエンジンは「当たり」だという事。
お世辞入ったとしても十分に嬉しいことをコメントしてもらった。

ただ、きんぱらさんはココで述べてるように以前ROMテストした
時は乗り出してすぐに差が分かると言っていた。
ナゼ私の車では差が出ないのか?
ひょっとしてROMが悪いのか・・・
点火時期はノーマルよりももちろん進めてあり凸凹を修正。
フィードバックを抜けた領域ではほぼ12.5に変更してある。
まだまだ詰める所は残されているがそれにしてもノーマル
との差が出ないのはナゼだ・・・。

と、ここでふと思い出した事がある。FireBBSで以前話題に出た
8秒タイマーだ。
NA8のECUは4500回転以下では踏んでも8秒間は増量されない。
とのコメントを思い出した。
これは恐らく燃費向上の為にマツダが仕組んだ制御なのだが
今回のテストでのご両人の評価はこの範囲内だった可能性もある。
まずはこの制御を殺さなくては話にならないな・・・。

今回の結果について、読んでる方に客観的に見てもらう為に
本ページ上でその時のマップを公開しようと思ったがそんな状態
では無意味なので増量補正マップがきちんとそのマップ通りに
機能するようになった段階で再評価、公表したいと思う。

でも、"猛(たける)くん"に乗ってROMチューンでは決して出せない
ダイレクト感を知ってしまった今、
ROMに対する思いは少し萎えてしまったのが正直なところだ。

本日のオチ

さて、テストを終え戻ってくると相変わらず"呪いの青い箱"を
取り囲んで、おかしいおかしいとやっている。

やはり空燃比計の信号がきちんと連動しない様子だ。
実はこのフリーダム。オークションで購入したとの事であるが
購入時は「空燃比連動機能付き」として出品者は言ってたらしい。
が、どうやっても連動しない。結局今日のところは諦めて出品元に
きちんと確認した方が良いという事で作業は終了。
日付も変わったのでそろそろ解散という事になった。

・・・のだが、ここでトラブル発生。
さっきまで普通にアイドルしていたtakaさん号が急にエンジンストール。
エンジンは掛るもののアイドリングしない状態に陥った。
さっきまでアイドリングしてたのに・・コイルが飛んだ?
いやいや、配線か?と懐中電灯で照らすも特に異常はなさそう。
フリーダムの方に今まで問題なかったファイルを再度送ってみるも
症状変わらず。仕方が無いので積んできた純正ECUに戻そうと
いう事になった。
平日の夜中。天竜川の河川敷でボンネットを開け配線を純正用に
変更してるその姿は・・・確実に職質モノだったろう(笑)
で、何とか純正ECUに戻すと、いとも簡単にアイドルリングを始めた。
実にスムーズに・・実に静かに・・・。
これが普通だ。これが純正品の安心感。
でも・・・その音を聞いているだけでダルい。
少しアクセルを煽ってやるだけで全然レスポンスがダルいのが分かる。
ヤバイ!これはヤバイ
青い箱の魅力に憑りつかれつつあるようだ。
takaさんのも"呪いの青い箱"からもうすぐ"幸せの青い箱"に
なるんだろう。
私の周りは青い箱だらけ・・これは実にヤバイ環境だ(笑)

もちろん、それぞれに良い所悪いところがあるのでちゃんと冷静に
考えないといけないし、少なくとも今はフリーダムなんぞ買える
金はどこにも無い(涙)

そんなこんなで、時間にしてわずか4時間程。
しかし 車に対しての考え方が大きく影響を受けるには充分な
そして強烈な4時間だったのである。

最後に結果的に"猛(たける)くん"にトドメを刺してしまった事、
申し訳なかったです。>"角"さん
でも、"猛(たける)くん"にそのスバラシさを教えてもらって大感謝。

(2004.9.5追記)
”角”さんコメント

おがっち 高密度なレポートアップありがとうございます
旧ザク号のエンジンは手元に来る以前より水が無くなる症状が
出ていたとのことで 毎日水を継ぎ足して通勤していたので永く
はないなと思っていました。とりあえずの四連スロ装着テストと
いう激務を全うし退役となったわけです。
オイルもばんばんに上がっていました。それでもあれだけ面白い
フィールを提供してくれたのは面白いものですね

そうそうちょっとした訂正と補足を
自身のHPですからどんどん自慢すべきだと思います。
そのためにアップしたわけですから。
ただ ある目的を達成したいために術(すべ)を成す訳ですが
術ばかりがクローズアップされてその結果の記述が
....ほんのちょっぴり。

つまりこういうことなんです
北海道食い倒れ旅行記だと思って読み始めるわけです。
北の大地の食材たちそそられるじゃないですか。
本当に懇切丁寧に書いてあるんです。
どこのホテルがリーズナブルなのか。 空港へはどういくのか。
飛行機はどうやって乗るのか。
いつフライトアテンダンスさんを口説くのがいいのか。とかとか。
でもでもでも、肝心なことが 自分が一番知りたいことがはぐら
かされるんです。
そうなんです。実際に北海道まで出かけて食したであろう
カニの イクラの ジンギスカンのおいしさが.....

もやもやしちゃいますよね

(/追記)